全身からの汗の匂いで、私の恋は終わりました。

私は40歳のサービス業で働いています。
職業柄お客様と接するので、身体の匂いや口臭に常に気を付けています。
匂いの難しい所は、自分では分からないことです。
ですから、夏場などは過剰なくらいに制汗スプレーやデオドラントボディペーパーを使います。
職業柄もありますが、過去のトラウマも影響しています。

そのトラウマについてお話しします。
それは高校1年生の6月の初めの日曜日のことでした。
原因は汗の匂い。それも全身からの猛烈な汗の匂いでした。

中学時代は野球部で、考えることは野球のことばかりで、頭も坊主頭で、女の子とは無縁の生活でした。
それが高校入学前の春休みに腰を痛めて野球が続けられなくなり、脱け殻のように高校生活をスタートさせました。
しかし、人生悪い事ばかり続かないようで、GWが終わった頃に、人生初の彼女ができたのです。
学校の帰りに一緒に帰るところから始まり、「デートしたいねぇ」と話していました。
しかし中間試験があったので、試験が終わる6月の初めの日曜日にデートすることになりました。
時間があったので、オシャレな服が必要だと思い、オシャレに詳しい友人に服を選んでもらい、デート用に買い揃えました。

そして運命の初デートの日。
朝から快晴でデート日和でした。
もちろん買い揃えた勝負服を着て、ウチを出発し、待ち合わせの駅へと向かいました。私服の彼女も可愛く、本当に幸せでした。
予定通り遊園地に行き、次々にアトラクションに乗り、デートを楽しみました。
しかし昼ごはんを食べ終わった辺りから、気温がどんどん上がり、徐々に汗をかき始めました。
まずいことに服もニットの長袖で、何もしないで立っているだけで、汗が流れ始めました。
服を買った頃は、まだ肌寒く、ニットはちょうど良かったのですが、デートが一ヶ月後で暑くなることをすっかり忘れていたのが、大誤算でした。
ハンカチは持っていましたが、とても追い付きません。本当はニットを脱ぎたかったのですが、せっかくのコーディネートが壊れるのが、怖く脱ぐことができませんでした。
その頃には汗が滝のように流れていて、かなりくさかったと思います。
ハンカチを濡らして、汗を拭っていたのですが、全身で汗をかいていました。
匂いの発生源は全身で、小さなハンカチではとても手に負えません。
すれ違う人が、顔をしかめたりしましたので、隣にいる彼女はかなり辛かったと思います。

デートの後、何となく彼女とはぎこちなくなり、一ヶ月後に別れてしまいました。
理由は言われませんでしたが、間違いなく汗臭かったのが原因だと思います。

その後、付き合った人は不思議と私の汗の匂いが気にならない人ばかりでした。
妻も汗の匂いは分かるけど、臭くないと言います。
どうも匂いの相性はあるようです。
ですから、最初の彼女とは匂いの相性良くなかったようですが、それにしても、悲劇的な終わり方で、今でもトラウマとなっています。